血統の森+はてな

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アメリカ三冠レースに関する、若干の考察

あまり海外競馬は詳しくないんですが、最近アメリカ三冠レースを制した馬がその後まともに活躍する姿を見ていないような。Afleet AlexSmarty Jones、Birdstone、やっぱり相当厳しい路線なんでしょうね。

考察と書いておきながら、私もそんなに海外競馬に詳しいわけではなかったりします。ただ、海外競馬に詳しいとか、詳しくないとか以前に、アメリカ三冠レースを制した馬がその後まともに活躍する姿を見ていない、だから厳しい路線なんだというロジックは本当に成り立つのか…?という疑問はあります。アフリートアレックスは左前脚骨折の再発、スマーティジョーンズは慢性的な挫傷(肉離れ)、バードストーンは左前球節に軽度の骨折と、あかちゃんぷさんが挙げられてる三頭はいずれも、それほど致命的な故障というわけではなく、故障が発生したからといってそのことが直接厳しいことにつながるものではないと思います。もし、という言葉は競馬にとってある種の禁忌ですが、もし治癒した後に走らせればどうなったかまではわかりません。そもそも走らせていないのですから。

それでも米三冠レースの日程は、客観的に見ても厳しい路線であることは確かといえるでしょう。今年の各レースの日程は、

なのですから、確かに厳しい。厳しいけれども、これを毎年海の向こうでやっているのだから、アメリカではこれが当たり前であるとも言えます。もっとも、日本の三冠と比べて、あまりにもローテーションが詰まりすぎている、という感覚があるかもしれないですが。

「もし日本もアメリカのような三冠の日程だったら、ローテーションが、なんていう見方はしないと思う」というのは私ではなく海外に詳しいチャット仲間の意見ですが、これが面白いなと思うことは、日本の競馬の知識が海外の競馬を理解するのにかえって邪魔をしていることがある、と暗にほのめかしている点でしょうか。そのチャット仲間の言葉を借りるならば「それは一種の偏見である」とも。

アメリカはもとより欧州を含めた海の向こうでは、日本とは違う競馬をやっている、と考えたほうがいいということでしょう。野球のワールド・ベースボール・クラシックのように一堂に会してレースを行うことができないのは、日程的な問題と並んで、違う競馬をしていることから生じる見えない壁があるからなのかもしれません。

さて、アメリカ三冠レースを制した馬がその後まともに活躍する姿を見ていない、というのは複数原因があるとも思いますが、

  • 血統的に早熟な馬が好まれる
  • ピークを三冠にあわせるために、その後不振に陥ってしまう
  • 種牡馬としての価値を失いたくないから、余力があっても引退させてしまう

といったことが挙げられるでしょう。どうしてそうなるのかは、競馬に対する捉え方が違う、つまり海の向こうで違う競馬をやっているからにほかならないから、と言えます。もう少し踏み込んで言えば、馬を使い続けるよりも、種牡馬としての稼ぎが見込めるならば種牡馬にしてしまった方がよい、という価値観があるということになると思います。