血統の森+はてな

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アーニングインデックスでちょっと遊んでみた

Le Moulin de Longchamp: 西山牧場のダーレーへの売却について
あたりでアーニングインデックス(EI)が取り上げられていたので。EIは、

産駒の総収得賞金   出走馬総収得賞金
−−−−−−−− ÷ −−−−−−−− = EI
 産駒の出走頭数     総出走頭数

で定義される。これは、

ある種牡馬産駒1頭あたりの収得賞金
−−−−−−−−−−−−−−−−− = EI
   全種牡馬1頭あたりの収得賞金

と一緒のことなので、1種牡馬が全種牡馬に対して何倍稼げるのか?ということを示しているのがEI、ということになる。リンク先にもあるように、また自分で計算すればわかるように、全種牡馬1頭あたりの収得賞金はだいたい660万円という値。EIはこの660万という定数に対しての倍率とも捉えることができる。

ここでちょっと頭をひねってみよう。今考えてるのはJRA全部のレースとその賞金を考えている。もし、重賞だけを対象にしたらどうなるだろう。

産駒の重賞収得賞金   重賞出走馬収得賞金
−−−−−−−−− ÷ −−−−−−−−− = 重賞EI
産駒の重賞出走頭数     重賞出走頭数

なんて計算式も、少なくとも数式の上では成り立つ。統計上は母数の問題を考えないといけないので、どこまで有効かはわからないけど、重賞出走馬1頭あたりの賞金、なんてデータは面白いかもね。平場とか障害とかに限定するのも味があるかも。


ここで、ちょっと数式を書き換えることを考えてみる。割り算は逆数の掛け算と同じ事だから

産駒の総収得賞金      総出走頭数
−−−−−−−− × −−−−−−−− = EI
 産駒の出走頭数   出走馬総収得賞金

と書き直せる。掛け算の順番を入れ替えても同じ事なので、

産駒の総収得賞金      総出走頭数
−−−−−−−− × −−−−−−−− = EI
出走馬総収得賞金      産駒の出走頭数

とも書ける。賞金を稼げば稼ぐほど、頭数が減れば減るほどEIは増える。だから、極端に出走頭数が少ない場合、例えば1頭ぐらいしかいなくて、重賞勝ちまくったりするとEIは跳ね上がったりする。

さて、上の式を言葉を書き変えて、言い換えるなら、

 ある種牡馬産駒の賞金占有率
−−−−−−−−−−−−−−− = EI
ある種牡馬産駒の出走頭数占有率

なんて見方もできる。ここで、リーディング上位100傑を全種牡馬と見立てる、ということを考えてみる(おおざっぱなサンプリングをしてみる)と、100傑を対象とした賞金占有率と、出走頭数占有率、でもってEIなんてのも算出できる。というわけで、ちょっと計算してみた。

種牡馬 頭数占有率 賞金占有率 100傑EI 全EI
サンデーサイレンス 3.0% 6.5% 2.14 2.31
アグネスタキオン 2.9% 4.7% 1.61 1.74
ダンスインザダーク 3.6% 4.3% 1.18 1.28
ブライアンズタイム 2.5% 3.9% 1.55 1.68
フジキセキ 3.0% 3.7% 1.24 1.35
フレンチデピュティ 2.2% 3.4% 1.59 1.72
サクラバクシンオー 2.8% 3.2% 1.12 1.21
スペシャルウィーク 2.7% 3.1% 1.13 1.23
エルコンドルパサー 1.2% 2.5% 2.05 2.22
アドマイヤベガ 2.3% 2.2% 0.96 1.04
上位10頭 26.3% 37.4%    

リーディング上位100頭のうち10頭で4割弱の賞金を占有していて、4頭に1頭が10種牡馬のうちのどれかを父に持つ、となんとか。そんなデータ。役に立つかどうかは知らない。それでも本来のEIと100傑EIが0.1〜0.2程度しか違わない(誤差にして10%未満)ってのは、荒っぽいサンプリングとしてある程度妥当なんじゃないかなとか何とか。