血統の森+はてな

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交流の建前が捨てられるなら、もっと早くに捨てることができているだろう、みたいな。

”交流”の建前捨て 新たなダート競走体系の確立を馬券日記 オケラセラ

ところが、2つしかないダートG1には、メンバーが固定しがちな交流重賞で賞金を加算した馬が殺到し、現実にキクノサリーレは除外されている。こうした状況から、私は例外的にせよ、優先出走権1枠ぐらい勝ち馬に与えてはどうかと感じたし、それが古馬戦線の理念を否定することになるとは思わない。

どうだろう。本当に強ければ、先達と同じように交流重賞に出走し賞金を積んで、G1に出走すればよいのではないか。とは、メンバーが固定化されている交流重賞の現状をみても思っている。根本的な問題を解決せずに、その場しのぎの安易に例外を設けるべきではないとは思うね。

そこはどちらに比重を置くのか、バランス感覚の相違としか言えない。

一度作ったルールって、ルールを変えるのにアホみたいに労力を費やすんですよ。そういうことを飛び越えてでも作るべき例外かどうか。そこはバランス感覚の相違なんですかね。

ところが、今年からJCD阪神1800メートルに移行され、府中1600メートルの武蔵野Sはステップとして不備を抱えることになった。
(中略)
中央で行われる前哨戦が重要なのは違いなく、新しい施行条件に沿ったステップの整備が必要だ。

なぜ、JCD阪神に移した際に、ステップレースも新設されなかったのだろう?開催日程のせい?
阪神で適当なステップを、というのなら同意しておく。

今年、強豪はJBCクラシックに回ったことも一因で、レーティングでも勝ち馬キクノサリーレは出走叶わなかった。

殿下も指摘している*1ように、JBCクラシックJCDのステップになっている、と捉えることもできる。

まず、JCDフェブラリーSを頂点に据えるなら、それに至るレース体系をもう一度見直し、不必要な交流重賞は廃止して、不足する重賞は中央なり地方なりに移行、新設すべきだ。

本当にJCDフェブラリーSを頂点に据えてしまっていいのかな?かたや阪神1800m(去年までは東京2100mだったか)、かたや東京1600m。1600mという距離はマイルという根幹距離であるからさておき、1800mというのはいかにも中途半端な距離ではある。ダート主体のアメリカにおいて、頂点を決めるといっても過言では無かろうBCクラシックは10f(約2000m)、BCクラシックを超える世界最高賞金を創設時に提示したドバイワールドカップは2000m。やはり国内最高峰の距離もこれに習って2000mとするべきでは。

競馬場と馬場を無視して単純に距離を考えたら、毎日王冠が最高峰のG1になってるんですぜ?G1になってもおかしくはないと思うけど、この距離が最高峰というのはどうなのよ。


レース体系というものをまずJRAだけで考えたときに、芝がメインストリームであるということは疑う余地はないだろう。3歳クラシック、とりわけ東京優駿をクライマックスに仕立て上げ、これ以前は皐月賞、あるいは朝日杯であり、これ以降は菊花賞なりJCに進み有馬記念、年を越して古馬戦線という流れは、すべてのダービー馬が通ることはないにしても、一つの王道であると言えるだろう。この流れに乗りきれない馬たちが、スプリントやマイル、ステイヤー路線へと突き進んでいく。あるいはダートや障害に転向していくわけで。ダートは芝より格下という暗黙の了解のようなものは、筆者は実際そうだと思っているし、クロフネアドマイヤドン、あるいはサクセスブロッケンといった馬を見る限り、競走馬たちが証明しているように思われる。

そうした言い方は悪いかもしれないが一流半な中央馬を相手に、必ずしも善戦しているとはいがたいのが地方馬交流重賞の実情な訳で(このあたりは異論が出るかもしれない)。私の記憶が正しければ、メイセイオペラ以降地方馬は中央G1を取れていない。鳴り物入りで創設されたJBCに至っては、クラシックは皆無。スプリントでフジノウェーブが優勝したのみである。帝王賞は交流競走に指定されてから地方馬の成績は7勝7敗、東京大賞典は4勝9敗。南部杯に至っては2勝12敗である。そして、地方競馬の売り上げに貢献したのかといえば効果のほどは疑問で、長引く不況の影響もあり廃止の二文字が主催者によっては常にちらつく中、すべての地方馬が強い馬作りに専念できるとは到底言えない状況である。もちろん、中央にある程度対抗できる馬は作れているが、さて、底辺に地方競馬を組み入れてよいものかどうか…というか、そういう扱いをされる地方からしてみればたまったものではないだろう。というか、地方も一枚岩でもないですし。

本格的なダート競走体系の整備が始まって、わずか10年しか経っていない。第二ステージは、中央と地方の”交流”なる建前は脱ぎ捨てて、双方が日本のダート競走体系をどう確立していくのか、共通認識を持って白紙から改革案を練り上げる時ではないか。

そんなことができるんだったら、もっと早くにしているだろう。現に地方の競馬場間の馬・金ともに格差に相当なものがあり、指定交流重賞を行っていない競馬場が現に存在する。このような競馬場がほぼ独立して運営されている現状を鑑みるに到底無理、ってことで。

*1:詰まるところ「JCDの最大のトライアルはJBCですが何か?」みたいな部分はあり。 http://b.hatena.ne.jp/mahal/20081216#bookmark-11306881