JTF日本語標準スタイルガイドを読んでみる(HTML5仕様の翻訳方針について)
- JTF日本語スタイルチェッカーに機能追加 - IT翻訳者Blog
- http://blog.nishinos.com/archives/4596338.html
- JTF日本語スタイルチェッカー
- http://www.jtf.jp/jp/style_guide/jtfstylechecker.html
最初のリンクからスタイルチェッカーなるものを知ったり。まあこのチェッカーはリンク先のソースを見ればscript
要素で直に書いているので大体何をやっているのかわかると思いますが…たぶん一太郎あたりに校正をさせた方が良さそう。ちなみにJTFというのは日本翻訳連盟のこと。
- JTF日本語標準スタイルガイド(翻訳用)
- http://www.jtf.jp/jp/style_guide/pdf/jtf_style_guide.pdf
- 標準スタイルガイド検討委員会|JTF 日本翻訳連盟
- http://www.jtf.jp/jp/style_guide/styleguide_top.html
スタイルチェッカーからたどれるガイドと検討がなされた委員会のページ。12の原則が掲げられていて、
標準スタイルガイド検討委員会|JTF 日本翻訳連盟
- 本文を、敬体(ですます調)あるいは常体(である調)のどちらかに統一する。
- 句読点は「、」と「。」を使う。
- 常用漢字表にある漢字を主に使用する。
- 動詞の送りがなは本則に従う。
- カタカナ語の語尾の長音は省略しない。
- 長いカタカナ複合語は中黒または半角スペースで区切る。
- 漢字、ひらがな、カタカナは全角で表記する。
- 数字とアルファベットは半角で表記する。
- 原則として記号類は全角で表記する。
- 半角文字と全角文字の間に半角スペースを入れない。
- ピリオド(.)、カンマ(,)、スペースは半角で表記する。
- 単位の表記を統一する。
普通の文書を翻訳するのであればこの標準スタイルがおおむね適用できるのかなと。ただし、HTML5仕様は技術文書なので、5.の「カタカナ語の語尾の長音は省略しない。」には従っていません(これについては後述)。10.の「半角文字と全角文字の間に半角スペースを入れない。」は翻訳に使用しているOmegaTの制約から意図せず半角スペースが入っているものがあります(削除し忘れもあったりします)。また、見出しについては例外としています(例:4.3.1 script要素)。これが組版であれば四分アキなり三分アキになるんでしょうが、現状のCSSではそこまで表現できないので云々。
なぜ標準スタイルガイドのカタカナ表記に従わないか
標準スタイルガイドは、以下の文書を参照しています。
- 外来語(カタカナ)表記ガイドライン 第2版 | テクニカルコミュニケーター協会
- http://www.jtca.org/ai_collaboration/katakana_wg/katakana_guide.pdf
■適用範囲
本ガイドラインでは、次の表示媒体物に適用される。
「一般の使用者が直接、見る、聞く商品上に表記される、カタカナで表記される外来語」
具体的には、以下のものを指す。外来語(カタカナ)表記ガイドライン 第2版 | テクニカルコミュニケーター協会
- 製品(ハードウェア、ソフトウェア、表示画面を含む)
- 製品カタログ(Web サイト、メールマガジンなど電子情報を含む)
- ユーザーズマニュアル(印刷物、HTML マニュアル、PDF などの電子情報、ヘルプ、ガイダンスを含む)
- 製品パッケージ
と、あくまで一般向けの取扱説明書を念頭にしたものであって技術文書を対象にしたものではないため、この表記に依りません。この表記に依らないですが、HTML5仕様の翻訳内で表記揺れがあってはならないので、見つけ次第全力で叩いていく所存ではあります。(少なくともHTML5仕様ではdfn
要素で用語はすべて定義されているわけですが、表現の揺れまでチェック仕切れているかというと非常に怪しい…orz)
個人的には校正について知りたくて以前に実例校正教室は確保したのですが、いざってときに標準 校正必携は手元にあった方が何かと便利なのでやっぱり買うか…。ちなみに大きな図書館に校正必携はあった記憶があるので、翻訳文書に限らずブログ等での日本語表記を気にするという人は手に取ってみてはいかがでしょうか。